秋のお出掛け 茶番 後編

2021年8月7日土曜日

新メイン世帯 茶番



秋の七日目、夜の自宅。



「おかえり」x4
「ただいま」x2
「どうだった、コモレビ山は」
「紅葉がすごくキレイだった、空気も澄んでいて景色も良くて本当に行って良かったと思っているよ」
「それで今度は他の場所にも行くことにしたんだ」
「そうか、そいつは良かったなぁ」
「これでオレの肩の荷も下ろせるか…」
「一体何の話を…」
「アルト、アルト!」
「ん?どうした、ムスターファ」
「デート、楽しかった?」
(あっ、純粋枠がつっこんで行った)
(いいぞいいぞ)
「………デート?」
「あ、これは完全にその発想はなかったって顔だ。弟としてどう思う?」
「…兄貴ならそれも有り得るんだよなぁ、今まで現状に満足して日和っちまう事が多かったから」
「なんだ、俺らはてっきりそうだと思ってたんだぜ?」
「…そう、とは?」
「だーかーら、デートだよデート!今日はそのつもりで二人で出掛けたんだなって」
「………」
「おーい、バノッサ?」
(それは考えたことがなかった…)
(……って顔してんなぁ、コイツも。エノラさんにデートって言わなくて良かったぜ)
(本当にデートならそれなりのプランを立てたのに…いや、焦らないと決めたんだ。もっとじっくり地盤を固めて…)
「アルト?」
(友達だから、親友だから、セーターのお礼として…沢山のそれらしい理由があるけど、アルトに次もどこかへと誘われたことは素直に嬉しかった。…嬉しいと、思ったんだ)
(……俺は)
(おやおやぁ?)
(これはもしかして)
(もしかするか?)















によによが止まらないぜ。
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